2005年6月19日
ライヴ・レポート~演奏会を終えて~
Vol.13☆麻生音楽祭2005 ファミリーコンサート

 
2005年6月19日(日)、第20回麻生音楽祭2005のプログラムのひとつとして、麻生フィルのイベントの中でも人気の高い、ファミリーコンサートが麻生市民館ホールで開かれました。
第一部は「オーケストラの魅力」をお客様にわかっていただこうということで、各セクションが浮き立つ難曲を選びました。
続いて第二部は7月9日(土)に公開となる「スター・ウォーズ episode3」に合わせまして映画音楽の巨匠、ジョン・ウィリアムズ特集です。
映画音楽やゲーム音楽での活躍で名高い竹本泰蔵先生をお招きしての楽しいコンサートでした。司会は麻生フィルではおなじみの秋山雅子さんです。

本番前日のゲネプロはホールの都合でやはり大会議室で、ということになりました。夜から始まるので、毎度のことではありますが少し疲れ気味の人、仕事で遅刻をしなきゃならない人…さまざまです。私はまだそんなに長くこのオケに在籍しているというわけではないのですが、いつものゲネプロに比べると、概ねスムーズに流れたように思います。竹本先生の真意は謎ですが、それほどこき下ろされるわけでもなく(本当はもっと何か言いたかったのかもしれないですけど)、一度やったことを最終確認、という程度の、とてもリラックスしたムードでゲネプロを終えることができました。

翌日は麻生フィルのいつもの光景、快晴。ゲネプロは司会を挟みつつ、本番と同じ流れで進んでいきました。竹本先生も終始にこやかで、こんなに精神衛生のいい状態で迎えられた本番は最近なかった気がします。ファミリーコンサートらしい気持ちでステージリハーサルを終えることができました。ただ今回、いつもと一点だけ違ったのが、麻生フィルが麻生区のイメージソング「かがやいて麻生」のオーケストラと合唱あわせての初演を任されたということです。

麻生区トリビア(30へぇ):麻生音楽祭第20回を記念して、麻生区のイメージソングを制作することとなり、歌詞を公募、音大の先生が曲をつけ、麻生フィルの誇る団員、倉田典明氏がアレンジをして、今回の演奏となったのでした。

「本番になってみないとちょっとわかりませんけど…」なんてあいまいな感じで、アレンジャー倉田氏のステージリハーサルは終わってしまいました。うーん、なんだかスリル満点ですけど。

スター・ウォーズについて語り合いつつお昼、そしてチラシの挟み込みをします。余談ですが、この日までの一週間で一気にスター・ウォーズの5作品すべて、睡眠時間を削りつつ見切った若者たちは(といっても3人ですが)、すっかりスター・ウォーズかぶれになり、誰彼かまわずその話ばっかりしていたのでした。他の方がどうかわかりませんが私たちは非常に盛り上がっていました。

そんなこんなで本番を迎えます。

まずは「かがやいて麻生」からです。合唱の方々を舞台にお迎えし、「ここがこうなっていて、ここから歌が入ります…では練習です。」というような形ですすめていきます。ここでひとしきり説明が終わったあと、指揮に立つ倉田氏の「業務連絡、業務連絡…45番おねがいします、ハイ。」の台詞で、会場がほどよく暖まりました。オーケストラの演奏をバックに合唱団と、会場の皆さんをまぜての大合唱。私たちが予想していたよりはるかに良い企画でした。

そしていよいよ麻生フィルのファミリーコンサートとなりました。前半「オーケストラの魅力」が始まります。

まずは「金管楽器の魅力」をアピール。コープランドの「市民のためのファンファーレ」。金管楽器奏者にはおなじみだというこの曲はまずパーカッションの「どーん・ばん・ばん」という爆音から始まります。予想通り、それが鳴ったとたんに会場から「うぇーーーん…」と泣き声が。子どもはそりゃーびっくりするよね。3分ちょっとのわずかな時間のファンファーレですが華やかで力強く、とてもかっこいい曲です。麻生ブラスたちは力を込めて、演奏をしたのでした。

金管楽器のきらきらした音で華やかに幕をあけたその次は、「弦楽器の魅力」を知っていただこうということで、グリーグの「ホルベルグ組曲」の一楽章です。この曲はなんといっても「タンタカタンタカ…」(←文字にするとむずかしい)という弦楽器のユニゾンで演奏されるリズムが聴きどころです。しかしこれには正直、私たち弦楽器奏者は苦労をさせられました。同じことを何度も繰り返しているとわけがわからなくなってくるのです。曲が終わるまでほぼこのリズムがメロディになったり伴奏になったりしながら悪夢のように続くのです。あの美しい旋律からは想像しがたい肉体労働でした。

最後は「木管楽器の魅力」ということで、チャイコフスキー、バレエ組曲「くるみ割り人形」より抜粋で、4曲を演奏しました。楽しげで華やかなバレエらしい音のする木管楽器群。しかも有名な”くるみ割り”ということで耳なじみがいいのかとても好評で、木管楽器の魅力を存分に発揮できたのではないかと思います。そして最後の「花のワルツ」ではすべてのセクションがひとつになり、スケールを大きく、前半を終えました。

休憩を挟んで後半「ジョン・ウィリアムズ特集」です。

ここからは映画音楽の世界、竹本先生の得意分野です。映画音楽はどこかで耳にしたことがあるためか、「こんな音楽」という先入観をもって気楽に演奏してしまう傾向がありましたが(違うかな、少なくとも私はそうでした…。)竹本先生のご指導はそんな固定観念をすっぱり取り去ってくれる、芸術的、かつ的確な指示で、練習を重ねれば重ねるほど目からウロコの事実がたくさんありました。そのおかげでジョン・ウィリアムズの作品を演奏する楽しさ、深みを学ぶことができたのだと思います。

インディ・ジョーンズ第一作目「失われたアーク」のテーマである「レイダース・マーチ」で幕開け、元気な始まりですが、そのあとは「シンドラーのリスト」で一気にしっとりとします。この曲はバイオリンソロの美しい旋律が聞きどころ。ここは麻生フィルの誇るコンサートミストレス大島光子が力を出しました。会場も舞台も聞き惚れます。そしていよいよこの夏公開のスター・ウォーズに先駆けて、まずは復習編。エピソード2「クローンの攻撃」よりジェダイの騎士アナキン・スカイウォーカーと美しく成長したパドメ・アミダラの禁じられた恋のテーマです。この曲の物哀しいメロディは非常に印象深くて美しく、魅力的です。私たちは陶酔しきっての演奏でした。

とは言ってもスター・ウォーズといえば何よりメインタイトルが一番かっこいい。聞けばすぐに「スター・ウォーズだ!」とわかる、有名すぎるあの曲です。竹本先生に教わってきた奥の深さをかみ締めつつ最後の演奏はばっちりキメました。

大きな拍手とともに始まったアンコール、は「ETのテーマ」でした。

今回も好評のうちに幕を閉じたファミリーコンサート。普段はクラシックにどっぷりの私たちに映画音楽の深みを教えてくれた竹本先生に感謝です。(いやぁ、本当に大人気でした。) 音楽をやっている人、聞いている人ともに「新発見」の多い、こころから楽しめた演奏会でした。

(レポート:島田愛理)


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