マーラーとハエの話

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マーラーとハエの話

演奏会で私はビオラパートの一番前に座っておりまして、
ありがたくも、セカイの広上先生の一挙手一投足を見ていました。

ふと見ると譜面台に巨大なハエが一匹とまっている。
先生もそれをじーっと見ながら棒を振っている。

「ずっとこのハエ、ここでじーっとして、聴いてるんだよなぁ…」
とか、ぶつぶつ言いながら。

時々ぶーん、と飛び立つのですが、
先生の周りをぐるぐる回って、また譜面台の縁に
戻ってきて、やはりじーっと聴いている。

先生が指揮棒を振り回すんで(当たり前だけど)
それを避けて飛び立って、先生の頭(!)にとまったり、
私たちビオラパートの付近をぐるぐるしたり。

先生があまりにハエを愛でる様子で、やたら可愛がるので、
なんだか途中から、マーラーの生まれ変わり?
もしかして三石先生の化身?なんて隣と話をしていました。

チェロのところに行ったときにタッキーが攻撃したので、
「それ先生可愛がってるから!」と思わずとめてしまった。

最後まで指揮台の上に戻ってまたじーっと聴く、を繰り返し、
本番も実はビオラと先生のところをフラフラしていたのです。

ビオラやチェロの周りをぶんぶんしたのは、
もしかして「そこは、そういう表現じゃない!」って、
文句でもあったのでしょうか…?

打ち上げでは、ハエは頭のいい虫でね…なんて、
広上先生が語ってくださいました。

芸術家の手にかかれば、ハエさえ、ロマンチックなお話に。
なんだか、ほほえましいサイドストーリーでしょ。


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