柿沼麗子さんにヴァイオリンについてお伺いしました。

メンデルスゾーンの協奏曲でソロを弾いてくださる、柿沼麗子さんに
使用中のヴァイオリンについてお話を伺いました。
メンデルスゾーンより年上のふるーい楽器です。


Q:今使っている楽器は、どこの国の、何年製の楽器ですか?
柿沼:イタリアンの楽器で、1778年製のマッシオーリ(P. Mascioli)になります。有名な人の手によるものではないのですが、大好きなオールド・イタリアン独特の暖かい音がする楽器だと思います。私自身の考えによく反応してくれるので、弾いていてとても楽しい楽器です。

Q:いつ頃から、この楽器を使っているのでしょうか?
柿沼:購入のきっかけは、イギリス留学中についていたハッソン先生の「もし、一生楽器を弾いていたいと思うなら、今すぐ楽器を替えなさい」という一言でした。

それまでの私が使っていたのは、初めてフルサイズになったときに購入した楽器で、1947年のものだったのですが、かなり大ぶりなサイズで、重くもあり、楽器の肩も張っていてネックも太く、私が弾くとヴィオラに見えるとよく言われました。私自身が小柄なため、かなり無理をして弾いていたのですが、それが当たり前だと思っていました。

王立音楽院のファイナルリサイタルでは、学校から楽器を借りて弾いたのですが、当然、修了と同時に返さねばならず、再び自分の楽器に戻った時に、あまりの違いに先生も、「これは体を壊す」と非常に心配して「今すぐ替えなさい」と仰ったのだと思います。

Q:この楽器と出会うまでには、苦労もなさったようですね
柿沼:マッシオーリが見つかるまでは、1年ぐらいかかったのですが、途中で何度か見つからないかもしれない、と思いました。サイズは良くても音がよくない、逆に音はよくても、大ぶりだったり値段があまりに高かったり、という感じでした。そんなときもハッソン先生は「楽器は必ずある。見つかるかどうかは、値段じゃなくて、君がラッキーかどうかだ」と言って、あきらめるなと仰って下さいました。

そして1年ぐらいが過ぎ、あるとき楽器商のかたから「こんなのがでてきたけど、どうかな?」と連絡を頂き、試したところ、大好きな音で、サイズもぴったりでと、すべてが満足の今の楽器にめぐり合いました。

手に入れてから4年ぐらいたつのですが、「ラッキーかどうかだ」と仰っていたハッソン先生にいまだに「なんてラッキーなんだ」と言われますし、私自身、本当にラッキーだったと、そして楽器はめぐり合いなんだと思います。


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