アマチュアオーケストラってどんなところ?

外国の(外国人が作曲した)音楽を理解するには、まず、その国の言語を知ることが大切です。
チャイコフスキーならロシア語、ラヴェルならフランス語…。

演奏をするにあたり、「もっと歌って…!」などと言われることがありますが、(我々がオーケストラで取り上げる曲の大半は「歌詞」は付いていませんが)実際に声に出して歌ってみることは、大事ですよね。
そのとき、できれば…「その国の言葉」で口ずさめると、より一層フレーズ感が掴みやすく、作曲者の意図する音楽が明確になってきます。

語学が堪能でなくてもよいのです。
何らか楽器をやっている人は「耳」がよいですから、音としての特徴を捉えるのは得意です。
そこで、その国の言葉の特徴を思い浮かべながら歌ってみると、これが実に効果的なのですよ。

「珈琲」を2拍子で書くとどうなるでしょう?
外来語ですが、日本語で「コーヒー」と言ったら、8分音符4つが均等に並んだ2拍子ですね。

フランス語ではどうでしょう?
フランス語でコーヒーは「le café」(あるいは「un café」)ですが、これは8分の6拍子の感覚に近いですね。
冠詞の部分がアウフタクトで、caféは2拍子の1拍目、記譜上は3連符になるでしょうか。

日本語にはアウフタクトはほとんどないと思いますが、ヨーロッパの言語にはこれがあり、単語は3連系が多いような気がします。
この言語(文化)の違いが、音楽(リズムの捉え方)の違いになるのかな…と思うわけです。

外来語ではなく、日本語を例にとっても同じような現象が起きます。
例えば「代々木」。

三文字ですが、日本語では「コーヒー」と同様8分音符4つの2拍子で、最後の8分は休符ですね。

これを英語圏の人が読むと、ほぼ100%に近い確率で3連符系になります。
「ヨヨ~ギ」…この最初の「ヨ」はアウフタクトで、「ヨ~ギ」は3連で最初の2音がタイ。
かなりシャッフル系の発音をする方もいらっしゃいます。

「三三七拍子は四拍子である」というのは有名な話ですが、日本で三三七拍子といったら、「三拍子+三拍子+七拍子」のような変拍子ではなく、常に四拍子なのです。

このように日本語とヨーロッパ系の言語は、そのリズムからして根本的に違うので、生まれる音楽が感覚的に異なるのは、ごく自然のことなのですね。
だからこそ、外国で生まれた音楽を理解するには、その国の言葉の理解が不可欠というわけです。

カンツォーネはイタリア語だからこそ歌える歌だと思いますし、中国の音楽は中国語独特の発音やイントネーションがそのまま音楽のニュアンスに繋がっていると思います。

さて、今春の麻生フィルの定期演奏会の会場は、ホームグラウンドの麻生区ではなく、お隣の多摩区での開催となります。
最寄り駅は小田急線の「向ヶ丘遊園」です。

この駅名がどことなくジャジーに聞こえるのは、「向ヶ丘遊園」5拍子だから…ではないでしょうか。

5拍子といえば…ジャズファンでなくても誰もが一度は聴いたことがあると思われるデイヴ・ブルーベックの「テイク・ファイブ」。
この曲のイントロとAメロのバッキングはまさに…

♪むこ~がぉかゆぅえん むこ~がぉかゆぅえん …♪

…と、常にこんなことを考えながら電車に乗っているような人たちが集まって演奏をしているところ…

それがアマチュアオーケストラです!?


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